2010年 11月 08日
今回のツアーの最初の目的地のひとつ、新潟県十日町にある「美人林」を訪れる。 関越自動車道の猛烈な渋滞のせいで(最初の訪問地であるにもかかわらず)到着時、すでに日は西に傾いていた。 そのおかげでブナの黄色はより鮮やかに光り、端正な二時林(*)の散策を楽しむも、僕の興味を引いたのは観光地として整備された森林公園そのものではなく、その周囲に広がる田園風景。 ここは長野と越後川口を結ぶ飯山線と、北陸急行ほくほく線に挟まれた、日本でも有数の豪雪地帯。 日本の原風景が今も残る、本当に静かでのどかな地帯だ。 旅というのは連続する非日常的な時間と空間に身を置くことに他ならないが、なぜかこの景色(自分の出生や幼児体験とは無関係なはずなのに)とても郷愁をさそう。 ただいま、と想う。 しばし、とどまりたいと想う。 そしてもうじき訪れる雪の季節や、その暮らしに想いを馳せる。 そういう「心に羽根が生えた状態」になれるのもまた、旅のもつチカラなのだろう。 こちらは弥彦神社。 紅葉、菊まつり、土日、晴天。 渋滞や混雑の条件がすべて揃い、猛烈な人出。 この後シャトルバス(2分)とロープウェイ(6分)に乗って後の弥彦山に登るのだが、その待ち時間が100分以上。 山頂に上がっても食券売り場にもトイレにも長い列。 こうなるともう精神的にクタクタになって、十日町であれだけ研ぎすまされた感性も、ほとんど花開かない。 弥彦山山頂。 水平線の雲の下には、佐渡島がある。 *二時林:人的または自然災害などによって一度消失し、その後再生した森林。 この美人林の原生のブナは、大正時代に炭焼きの材料として全て伐採された。
by kama-ni
| 2010-11-08 09:26
| 関東甲信越
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