2011年 10月 22日
超ハードなスケージュールもさることながら、精神的に非常にキツいツアーであった。 三陸海岸、宮古などの被災地を見学。 あの日、あの場所で実際に起こったことを(その痕跡を)テレビモニターを通してではなく、実際に見てきた。 もちろん瓦礫などは撤去されたあとなので、現地の方々が体験されたような本当に壮絶な光景を目にすることはない。 それでも津波の爪痕は、想像を絶するものだった。 頑強なコンクリート製の防波堤が、まるでオモチャの積み木のようになぎ倒され・・・ 駅舎は、線路ごと無くなっちゃって・・・ それを支えていた太い鉄骨は、根元からひきちぎられ・・・(とにかく、考えられないパワー) 小高い丘の上を走る線路、そのトンネル入口よりはるかに高い木の枝に浮(ブイ)が引っ掛かっていたり(わかるかな?)。 こういう「一瞬にして奪い去られた、人の息づかいの跡」が目に入ると、胸が締め付けられるよう。 田老地区。 つい先シーズンまで、僕も何度かお邪魔した街。 民家や古びたホテルやらが立ち並び、川には鮭が遡上する、静かな漁師町だったけど、今はなんにもなくなっちゃった。 「ここが田老です」と言われなけりゃ、かつて訪れた場所であるとは気づかないだろう。 凄過ぎる。 こういう光景を走るとガイドさんも言葉を選ばざるをえない。 だから、つい言葉少なくなって・・・。 この美しい海岸線を、高さ数十メートルの波(というより、水の塊)が襲ったなんて。 周辺には泊まる場所がないので、宿は八戸。 2日目は少しでも元気を取り戻したく、活気を取り戻しつつある景色を訪ねた。 八戸の朝市。 曜日の関係であまり盛況とは言えなかったけど、新鮮な魚介類や果物が道に並んだ光景は、眺めていてとても楽しい。 さすが青森、リンゴだけでこんなに沢山の種類が。 三陸観光の目玉、浄土が浜の遊覧船。 たった一艘だけのこった船で、夏から営業を再開している。 海沿いの遊歩道やターミナルは破壊されたままだけど、少しずつ客足が戻りつつある。 そしてその遊覧の大切な脇役、ウミネコももちろん健在。 相変わらず「チョーダイ!チョーダイ!」とけたたましく集まってくる無邪気な姿は、まるで震災などなかったかのよう。 今回のツアー。 被災地を見に行くなんて・・・と賛否両論、意見が割れることだと思う。 実を言うと僕自身、ツアーを添乗し終わった今でも、自分の立場を決めることが出来ない。 ただ現地にいってみて「本当の姿を見て欲しい」「少しでも来てもらって地域経済を活性化させたい」といった意見があることを身に染みて感じた。 中でももっとも印象的だったのは、若くて可愛らしいガイドさんの言葉。 「次は復興を遂げた三陸に、遊びにきて欲しい」
by kama-ni
| 2011-10-22 20:52
| 東北
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