2010年 10月 06日
立山黒部アルペンルートと上高地という日本を代表する山岳観光地を、2泊3日でいっぺんに廻ってしまおうというちょっと贅沢なコースも、初日の黒部峡谷トロッコ列車と2日目のアルペンルートはあいにくの雨。 特に2日目は前線が真上に停滞して、ひたすら降り続けた。 「山の天気は予測不能だから、もしや好転することだって・・・」という淡い期待は見事に裏切られた。 しかし「この天気じゃ・・・」と頭を垂れてしまうのは最悪のパターン。 特に自然を愛でるコースなら、荒天もまたエンターテイメントにできるかどうかが、旅人としてのセンスの分かれ目なのだ。 ほら、こんな水墨画のような風景だって、雨だがからこそ。 そして標高2.450mの室堂。 横殴りの雨のなか、思い切って外に出たお客様だけが遭遇できた幸運が、これ。 雷鳥。 雨合羽のフードを雨と風が叩く中、カエルのような優しい鳴き声が印象的だった。 それにしても、紅葉は見頃。 一昨日の段階では標高2.000mくらいから上が抜群だったから、これから1週間〜2週間くらいが最高じゃないだろうか。 京都や鎌倉の紅葉も風情があっていいけれど、やっぱり高山地のそれは鮮やかさがまったく違う。 ナナカマドも、ご覧の通り。 今週末ヒマな人は思い切って高速を飛ばしてみたら? もしかしたら、ひっくり返るような景色に出会えるかも。 これは2日目の宿泊地、長野県白馬の黄昏。 アルペンルートを踏破して長野県の大町に降りてきた頃、雲が切れて視界が明瞭になってきた。 このぶんなら明日(最終日)は晴れるだろう。 そしてこの天気。 上高地。 もっとも美しい山岳観光地。 河童橋から眺める奥穂高もご覧の通り。 上の方は紅葉が見事。 今回は妻が軽くて丈夫なライトトレッキングシューズを買ってくれたので、何組かのお客様と一緒に明神池まで足を伸ばしてみた。 往復2時間ちょっとのトレッキング。 高低差の殆どない森の中のトレイルにはジンのように透き通った流れが沿い、そこには宝石のようなイワナが何尾もいて、水面に波紋を作っている。 流下する羽虫をついばんでいるのだ。 もうこのシチュエーションは、夢そのもの。 言葉は一瞬にして蒸発し、あぁ・・・とか、うぅ・・・とか、そんな「音」しか出せなくなる。 そのくらい、美しい景色。 あれ、ちょっと待って・・・? 岩魚に混じってあそこの木の下で定位してるの、ブラウン(トラウト)じゃん・・・。 注釈1: 「アルトロ」とは添乗員仲間で流布している「アルペン・トロッコ列車」の略語。 黒部峡谷トロッコ列車とアルペンルートは、ツアーでは必ずセットになっている。 「次の仕事、どこ行くの?」 「ん? またアルトロ」 という具合。 注釈2: 今回も散見された光景。 上高地を訪れたら鴨や猿がよってくるかもしれないが、しかし絶対に餌を与えないで欲しい。 そして上高地ではオシャレな洋服を着たトイ・プードルくらい、おぞましいものはない。 いうまでもなく、ペットの「持ち込み」は自粛するべき。 自然を愛でに訪れているのだから、そのくらいの良識は持とう。
by kama-ni
| 2010-10-06 09:16
| 中部北陸
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